ナレッジ共有の方法とは? 考え方や上手くいかない理由、具体的な進め方をご紹介|データ管理を、楽しいものに。|PlaPi
目次

日々の業務の中で集まるナレッジ(経験・知識)を共有できることは、企業にとってさまざまな利点があります。この記事では、ナレッジ共有ツール導入のメリットや、おすすめのツールをご紹介します。

そもそもナレッジ共有とは?


そもそも「ナレッジ」は英語で「Knowledge」=「知識」という意味の言葉。ビジネスにおいては単なる知識ではなく、企業にプラスの影響を与えるノウハウやスキル、経験、実践的な知見などを含んだ概念です。個人が業務で得た経験・知識を誰かにシェアすることを「ナレッジ共有」といいます。

アフターコロナ・ウィズコロナの立ち回りが求められる現在のビジネスシーンにおいて、テレワークなどの非対面型コミュニケーションが必須となった背景もあり、ナレッジを集約して効率よく共有することの重要性がさらに高まっています。個人のナレッジを写真や文書などによって共有し、業務効率化を図ることを「ナレッジマネジメント」といいます。

「共有すべき」ナレッジとは


企業のナレッジは「経験から得られる知識・スキル」「組織の文化・理念・経営コンセプト」「マニュアルやデータ・企画書」「接客や服装の基準など暗黙の了解」の四つに分類できます。これらを活用していって自社の強みを打ち出すことが、ナレッジ共有の目的です。

ナレッジ共有をはじめるべき理由


業務効率化と生産性の向上は、企業が継続して成長していくためには不可欠です。これらの実現にも、ナレッジ共有が役立ちます。

ナレッジはその性質上、どうしても属人化しがちなものです。属人化の対策をせず放置していると、業務効率・生産性・顧客満足度の低下を招くことになります。また、ミドルエイジ以降の転職が一般的となり、人材の流動化が進む一方の昨今、各個人に蓄積したナレッジが十分に共有されないまま、社外に流出するリスクが発生しています。

個人のナレッジを社内で集約して、常に共有できる仕組みを設けることは、埋もれたナレッジの掘り起こしだけでなく、その属人化を防ぐことにも繋がります。

ナレッジ共有により得られるメリット


では、積極的にナレッジを共有することで得られるメリットとはなんでしょうか。

1.業務の効率化につながる
過去に業務上で起こったミスやクレームなどをナレッジとして共有できると、同じような失敗を防ぐことができます。さらに自分では気づけないミスも発見できる可能性が高まります。

問い合わせ対応などの多大なリソースが必要な業務においても、過去の事例や対応などを社内WikiやFAQなどで参照できれば、最小限の人手で効率よく処理することが叶います。リソースが空いた分で別の業務を与えることができるので、社員の稼働率をあげることにもなるでしょう。

また、問い合わせに対応する人員の習熟度による対応レベルの差も平均化でき、結果的に顧客満足度の上昇にも繋がります。

2.人材育成を効率的にする
新入社員や中途採用社員の研修・教育から、異動・転勤する社員まで、業務の引継ぎには多大なコストが生じます。しかし、これもナレッジの共有によって大幅に削減できます。その業務に慣れていない社員でも、ベテラン社員のナレッジを参照することで短期間でコツがわかったり、ミスを少なくすることが可能です。

さらに、教育や引継ぎにかかるコスト・時間の削減によって、それに対応する予定だった社員が本来の業務に専念できることとなり、前述した業務効率化にも繋がってきます。

ナレッジ共有が上手くいかないパターン


メリットしかないように思えるナレッジ共有ですが、実際は企業への導入に関して、苦戦するポイントもいくつか存在します。以下で失敗の事例を解説します。

1.ナレッジ共有への抵抗感がある
たとえば営業部門においては、各部員の持つ売り上げが勤務評価となります。つまり、個人成績をキープし続けるために、各自が持つナレッジ共有が疎かにされるケースがあります。また、企業内で現場でのリアルなコミュニケーションを重視する文化が強いと、ナレッジを文書などで残すことが軽視されがちです。

「自分にはないナレッジが得られる」「結果的に自分の仕事もラクになる」「新人教育の手間が省ける」など、具体的なメリットを掲示してナレッジ共有を勧めましょう。

2.ナレッジを「共有」することのハードルが高い
日々の業務に追われていると、ナレッジの共有は後回しにされがちです。共有するやり方が社内で十分に周知されていなかったり、その仕組み自体がきちんと整備されていないケースも多々見受けられます。

ナレッジ作成するためのテンプレートやマニュアルをわかりやすく整備したり、直感的に操作できるUIを取り入れるなど、 アウトプットするためのハードルを下げて気軽に共有できることが大事です。

3.ナレッジ共有が続かない
たとえナレッジ共有の仕組みを導入した場合でも、フォーマットや共有方法・ドキュメントの格納場所などのルールが十分に社内に浸透していないと、うまく活用できません。その場合、時間が経過するにつれて状況は悪化します。ルールが形骸化してしまい、結果的に社内で誰もナレッジ共有ツールを使用していない、となってしまうケースも。

そもそもナレッジの検索性が低く、情報にアプローチすることがストレスとなってしまっている場合もあるので、ツールの選定には注意すべきです。

ナレッジ共有が上手くいかない原因? 形式知・暗黙知について


前述したように、日本企業では「ナレッジ共有への抵抗感」が生まれやすい背景があります。これまでは、ベテラン社員が蓄積してきた知識やノウハウ・長年のカンなどを明文化せず、いわば「暗黙知」として受け継いでいく、というのが一般的でした。

しかし、時代と共に企業のあり方も変化し、ナレッジマネジメントの導入で属人化の抑制・生産性アップを狙う考え方が主流になってきました。つまり「暗黙知」をしっかりと言語化・データ化して「形式知」として活用していくことが求められるようになったのです。

ナレッジ共有を始める際の考え方


実際にナレッジ共有を始めるにあたって、考えておくべきポイントを解説します。

1.何を目的とするのか、明確にする
何を目的にナレッジ共有するのかは、事前に整理しておきましょう。目的に応じて、以下4つのナレッジマネジメントの型を適用することができます。

・「業務プロセスの再検討」を目的とする場合
→競合他社や自社の事例を分析する「経営資本・戦略策定型」

・顧客対応を標準化し、「顧客満足度の向上」に繋げたい場合
→顧客対応で発生した情報を集約する「顧客知識共有型」

・「社員のスキル向上」を目的とする場合
→優秀な社員のノウハウや思考を形式知する「ベストプラクティス共有型」

・「情報共有のスピードと質の向上」を目指す場合
→組織内外のナレッジをデータベース化する「専門知識型」

2.「SECI(セキ)モデル」を利用し、暗黙知を形式知として共有する
SECI(セキ)モデルはナレッジマネジメントの手法のひとつで、暗黙知を組織全体で共有して形式知化するためのプロセスのことです。

・経験を通して暗黙知を伝える「共同化」
・暗黙知を言語化して整理する「表出化」
・形式知をかけ合わせてアレンジする「結合化」
・結合化プロセスを実践して暗黙知とする「内面化」

これらの4つのプロセスを繰り返すことで、暗黙知を形式知化していくのがSECI(セキ)モデルの狙いです。その過程で新たな発見や、技術を生み出す効果も期待できます。

ナレッジ共有の進め方


現在社内に存在するナレッジを活用するためには、どのように行動したらいいのでしょうか。ナレッジがあいまいな状態で放置されているのならば、まずは社員にナレッジ共有を強く促して、社内に眠るナレッジの存在を意識させることが重要です。そして、誰がどのような知識を持っているのか、それぞれが属人化している暗黙知がないかをリサーチして、徹底的に洗い出しましょう。

暗黙知がリストアップできたら、それらを形式知として共有できるように、しっかりと言語化して活用できる体制を整えましょう。形式知にすることが無理な暗黙知は、計画的に社内に継承されていくように計画を立てます。

ナレッジを社内で共有するために、具体的な進め方を次項から解説していきます。

1.担当者を決める
ナレッジ共有を推進していくためには、導入前の準備や導入後のサポートを行うチームの結成が必要です。企業としてナレッジ共有を進めていくためには、社員の自主性に任せるだけでは失敗の可能性が高いです。

推進チームを結成したら、しっかりとナレッジ共有の推進計画を立てて、プロジェクトマネジメントを行う担当者を任命しましょう。自社に必要なナレッジを明確に定義付けして、暗黙知の形式知化を促進するためにさまざまな試みを主導することが、その主な役割となります。

2.ナレッジを共有しやすい体制を整える
「ナレッジ共有への抵抗感」を払拭して、社内にナレッジ共有のカルチャーを根付かせるためには、入念な体制作りが必要です。

そもそも日々の業務に追われる社員にとって、ナレッジ共有の優先順位は低いものです。また、ナレッジを共有するための方法が周知徹底されていなかったり、その仕組み自体が整備されておらず、結果的にナレッジ共有が根付かない、というケースもあります。

上記のような事態を防ぐためにも、ナレッジ共有推進チームの担当者がリーダーシップを取って、ナレッジを作成するためのテンプレートやマニュアルをわかりやすく整備したり、検索性を高めていつでもどこからでもアクセスできるようにしましょう。また、直感的に操作できるUIを取り入れるなど、 アウトプットするためのハードルを極力下げて、社員が気軽にナレッジを共有できるようにしましょう。

そのためにも、自社が求めるナレッジ共有のレベル感にあった情報共有ツールを選ぶことが求められます。

ナレッジ共有の手段


では、具体的にどうやってナレッジを共有するのでしょうか。それぞれメリット・デメリットがあるので、自社のニーズと照らし合わせて選択しましょう。

1.テキストファイル
WordやGoogleドキュメントなど、テキストベースのドキュメントファイルでナレッジを共有する方法です。

一般的に使用されているものなので手軽で使いやすいのですが、「共有した際に都度報告が必要になる」「共有されたナレッジの検索性・アクセスが貧弱」といったデメリットはどうしても避けられません。

前述したように、ナレッジ共有のプロセスで面倒臭さやストレスが発生すると、後回しにされて忘れられてしまう懸念が高まります。他の方法を検討した方が無難です。

2.Excel
Excelファイルによってナレッジ共有をしようとする方法です。

ExcelはWordやGoogleドキュメント以上に、日々の業務で頻繁に使用されるツールです。使い慣れているツールではあるのですが、修正履歴が残らない・セキュリティ性が低いなどのデメリットがあります。

ナレッジは常に最新の状態で保存・活用すべきであり、機密情報が含まれる情報資産であるため、Excelをナレッジ共有ツールとして活用する際には注意が必要です。

3.情報共有ツール
ここまでナレッジ共有のメリットや課題点を解説してきましたが、社内でナレッジ共有の浸透を効率的に成し遂げるためには、ツールの導入が近道です。

ナレッジの蓄積・共有に特化したタイプ、FAQ・社内Wikiを作成できるタイプ、ヘルプデスクをサポートできるタイプ、検索機能が優れたタイプなどが主なツールとしてあげられます。

組織内におけるITリテラシーにバラ付きがある企業も多いことから、ユーザーが感覚的に使えるツールを選定しましょう。

ナレッジ共有ツールを導入するメリット


ナレッジ共有ツールの導入によるメリットを解説します。

1.ノウハウをスムーズに蓄積できる
ナレッジ共有ツールを導入することで、社内に蓄積したノウハウや知識をスムーズに集約することができます。ナレッジ共有推進チームが主導して、ナレッジ共有の社内への浸透や習慣化を啓蒙していきましょう。

2.問い合わせ対応業務の削減
社内外からの細々とした問い合わせ対応業務の削減には、ナレッジ共有ツールの導入が打ってつけです。ナレッジ共有ツールをFAQや社内Wikiとして運用することで、疑問を検索して自己解決できるようになります。これはリモートワークの効率化にも繋がるメリットがあります。

3.業務改善・効率化の促進
ナレッジ共有ツール上で業務改善・効率化のトピックやページを作成しましょう。これを定期的にチェックするというルールを策定することで、業務改善や効率化をスムーズに進める効果が期待できます。

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